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武富士、過払い金弁済率3.3% 15日に更生計画案提出

武富士、過払い金弁済率3.3% 15日に更生計画案提出

2011/7/14 14:30 日本経済新聞 電子版

(以下、日経新聞電子版からの引用)

会社更生手続き中の武富士は14日、過去に払いすぎた利息(過払い金)の返還を求めている顧客などに対し、返金の弁済率を3.3%とする方針を固めた。社債なども含めた負債総額が約1兆5000億円に達したためで、顧客が手にできる額は大幅にカットされる。15日に提出する会社更生計画案に盛り込む。

武富士は昨秋に会社更生法の適用を申請。過払い金の返還が重荷となり経営が行き詰まった。返金を求めた顧客が約91万人…

(引用終わり)

武富士の弁済率がほぼ決まったようです。3.3%とのこと。この弁済率が盛り込まれた再生計画案の発表は、本日、15日ということです。あとは、返還時期がいつになるかが、注目されます。

5%前後が目処になるという記事を以前に書きましたが、3.3%という数字は、少々ショックです。

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武富士 弁済率の予想 - 負債総額と弁済率の確定時期

まずは、武富士の弁済率に関する昨日付けの2つの報道(1)と(2)を引用します。
以下、黒字は報道記事の引用、赤字は私のコメントになります。

(1)武富士の負債1兆5000億円=「過払い」債務で破綻時の3.4倍

時事通信 5月6日(金)13時1分配信

会社更生手続きを進めている消費者金融武富士の小畑英一管財人は6日の記者会見で、負債総額が1兆4949億円になったと発表した。昨年9月下旬の破綻 時に公表した4336億円の約3.4倍。借り手からの返還請求を受けて認めた「過払い利息」の債務が総額1兆3700億円に上ったことが大きい。
破綻時までに請求のあった過払い利息は1713億円だったが、昨年10月から4カ月間、改めて受け付けを行った。負債額には社債約926億円も含まれ る。一方、貸付金の減少で、返済原資となる資産が少なくなったため、最終的に戻って来る過払い利息は大幅にカットされる見通しだ。

* * *

(2)武富士の過払い利息返還金、1兆3千億円に

読売新聞 5月6日(金)17時0分配信

会社更生手続き中の消費者金融、武富士の管財人を務める小畑英一弁護士は6日、過去に取り過ぎた利息として同社が顧客に返還すべき額が約1兆3700億 円になったと発表した。社債(926億円)などの債務を加えた最終的な負債総額は、昨年9月の破綻時の約4300億円から約1兆5000億円に増えた。

管財人団は7月半ばまでに債権カット率などを盛り込んだ更生計画案をまとめる予定だが、負債総額が巨額になったことで返還の原資が不足し、実際に支払われる過払い利息の返還額は請求額の5%以下になる可能性が強まった。

* * *

昨日、武富士の管財人小畑英一弁護士の記者会見があったようで、会見の全文、要旨ともに不明ですが、この記者会見について注目すべき2つの報道が上記(1)、(2)の引用です。

次に、下記の(3)の記事は昨年9月28日の野村證券の予想です。

過払い金は少なくとも1兆円はあると予想した上で、弁済率を10%以下(「カット率は90%を下らない。」)としています。

* * *

(3)武富士「債務弁済率は1けた」、会社更生法適用の申請で-野村証券

更新日時: 2010/09/28 13:55 JST ブルームバーグ

9月28日(ブルームバーグ):28日に東京地裁に会社更生法の適用を申請する消費者金融の武富士の債務弁済率は1けた――。野村証券はこう予想した。

野村証は27日付のリポートで武富士が更生法を申請した場合として、過払返還債権者が登録をして少なくとも1兆円の返還請求がある、と予想した。その上で 既存の有利子負債と合わせて「債権カット率が90%を下回ることは考えにくい」と指摘した。過払い金返還は一般債権(無担保借入など)と同順位の債権にな るとしている。

リポートを作成した魚本敏宏チーフ・クレジット・ストラテジストはさらに、他の消費者金融への過払い金返還要求の増加が不可避だと予想した。消費者金融の利用者は多重債務者が多く、手続きをする弁護士の勧めも含めて請求が増えるとの見方だ。また金融会社アプラスの親会社の新生銀行へのマイナスの影響も指摘した。

昨年10月28日のブルームバーグの記事(下記の(4))では、武富士の清算価値を想定元本の14.75%とする記事があり、この数字を根拠に15%くらいではないかという予想を、当時のインターネット上で見ることができました。

* * *

(4)武富士のCDS、清算価格は想定元本の14.75%-過去最低に

ブルームバーグ 更新日時: 2010/10/28 21:27  JST

10月28日(ブルームバーグ):経営破たんした武富士を 対象にしたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の清算価格が想定元本の14.75%に決まった。武富士の清算を想定した債権の回収率の指標とも言 える清算価格は、過去の日本の清算事例の中で最も低くなり、武富士の財務状態が厳しいとみるCDS投資家が多いことを裏付けた。

CDSとは、企業が倒産した場合などを想定し、社債や融資などの焦げ付きをカバーするのが主な目的の金融派生商品で、購入者は手数料を支払って元本の保証 を受けることができる。9月下旬の武富士の会社更生法適用申請を受け、国際スワップデリバティブ協会(ISDA)が28日に清算価格を決める入札を実施し た。

入札を管理するクレディテックスとマークイットが28日ウェブサイトで開示した武富士CDSの清算価格は14.75%。仮想元本100円ごとに対して85.25円を保証主が購入者に支払って契約を終える。入札に至った事例では3月のアイフル(33.875%)、4月の日本航空(20%)に続く3例目で、水準は過去最低となった。

マークイットなどによると、入札に参加したのは、ゴールドマン・サックスやバークレイズ・キャピタルを含む金融機関15社。アイフルは私的整理に基づき上場を維持しながら、日航は更生法に基づき再建を進めている。武富士は29日に上場廃止となる予定。

* * *

昨日の報道で最も注目すべき点は、武富士の負債総額がほぼ確定したという点です。

過払い金だけで1兆3700億円、過払い金以外の負債を含めると負債総額はおよそ1兆5000億円にのぼります。

(3)の昨年9月28日の野村證券の記事では、過払い金の負債だけで、少なくとも1兆円はあると予想していますので、今回の5月6日に判明した過払い金の負債は、昨年9月28日の予想よりも30%以上増加していることになります。

野村證券は過払い金1兆円の場合で、弁済率10%を下回ると予想しているので、実際には、過払い金が1兆3700億円だったので、過払い金だけの増加分を割り戻すと単純計算で弁済率は7.3%前後になります。もっともこれは昨年9月末の時点での野村證券の過払い金総額の予想と、本年5月に判明した実際の見込み額を基準に、単純化した数値であることをお断りさせてい頂きます。

また、返済の原資が減少しているということですの、実際には、7.3%よりも厳しい数字になるのではないでしょうか。

具体的には、(1)の記事で、弁済の原資が毀損していることを理由に、5%以下と言っているので、5%というのが一つの目安になると考えられます。

また、弁済率の確定する時期は、(1)の記事にあるとおり、7月半ばまでに再生計画案をまとめるとのことですので、7月中旬がめどになると考えられます。

***

過去の関連記事

平成23年2月18日 投稿分 → 武富士 過払い金債権の弁済率

平成22年10月4日  投稿分→ 武富士 会社更生法申請後に過払い金を返還する方法

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武富士 過払い金債権の弁済率

武富士の債権届の提出期限は、残すところ2週間となりました。

更生計画による弁済率が気になるところですが、

先日(2月15日)、アイフルから興味深い書類が送付されてきました(武富士ではなくアイフルです)。

「クライアントへ伝達・確認頂きたい事項」と題する文書には、

「武富士の法的整理を経た過払い金債権の配当は1割~2割と言われている。」

と記載されています。

しかし、その10%~20%の根拠はどこにも記載されていません。

アイフルがこのような文書を送付する趣旨は、

私的整理(ADR)実行中の状況で、過払い金の和解率を、元金4割に抑えたいという目的で、

武富士の法的整理の場合の配当率を引用しているものと思いますが、

その10%~20%の数字の算定根拠はこの文書では明らかにされていません

他方、昨年の10月28日に発表されたブルームバーグの記事を根拠に、15%前後の配当を予想する記事もインターネット上で見かけます。

しかし、このブルームバーグの記事は、昨年の10月28日のものであり、すでに4か月経過し、債権届出される過払い金の総額も当初の予想とは、異なっている可能性もあります(届出される過払い金の総額が大きければ大きいほど、弁済率は低くなる。)。また、この4か月で、資産が毀損している可能性もあります(貸出債権の回収不能など)。

また、静岡司法書士会をはじめとした各地の司法書士会などの記事に、

一般的な更生計画においては、弁済率は15%から20%と言われています。ただ、ロプロ(旧日栄)の時は、弁済率が3%であり、著しく低い弁済率が設定されることもあり得ます

という記載があります。

これは武富士のことを言っているのではなく、「一般的な」会社更生法事件の弁済率のことを言っています。実際に、この記事では、ロプロ(3%)のように「著しく低い弁済率が設定されることもあり得ます」と記載されています。15%~20%という数字だけがひとり歩きしなければいいのですが。

情報が少ない私たちには、武富士が保有する資産も、
弁済対象の債権届出された過払い金等の債権総額もわからないので、
現時点で弁済率を予想するのは極めて難しいのですが、
債権届出の集計が終われば、
それなりに信頼性の高い筋から、弁済率の予想が発表されるのではないかと思います。

新着記事はこちら :平成23年5月7日 → 武富士 弁済率の予想

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武富士 過払い金返還の権利者は130万人

「過払い金返還の届け出 武富士、130万人に手紙で通知」
会社更生手続き中の武富士は12月半ばから、過去に払いすぎた利息の返還請求の権利をもつ顧客に手紙を出し、過払い債権として届け出るよう通知する方針を決めた。11月から新聞広告などを通じ、返還金の届け出を呼びかけてきたが、さらに周知を徹底する狙い。対象者が約130万人と多いため、ほかの消費者金融大手への返還請求が勢いづく可能性もある。(以上引用終わり 情報元: 日本経済新聞 電子版 2010/12/9 1:30)

以前潜在的な過払い金債権者は200万人いるという報道を記事にしたことがありましたが,最新の報道によれば,130万人とのことです。この130万人には10年以内(時効消滅していない)に完済した契約者が含まれています。同業者の情報交換では,完済した契約者に対して,通知されているという報告もあります。

武富士の倒産以降,クレジット・サラ金各社の過払い金返還交渉が難航しています。130万人の通知が届くことによって,自分自身が潜在的な過払い金請求者であることを初めて認識する方もいるでしょうから,武富士以外のクレジット・サラ金会社に対しても過払い金返還請求が増加し,各社の財務状況が悪化し,交渉がさらに難航することになるでしょう。

追記:平成23年5月8日

5月6日の管財人の記者会見で、最終的に過払い金返還請求した債権者は、90万7787件だったとのことです。130万人のうち、90万人が請求したとのことですので、およそ70%の方が請求したことになります。

30%の請求しなかった方は、そもそも住所移転などで通知が届かなかったケースもあるでしょうし、通知の内容の意味がわからずに、通知しなかったケース、思い出したくもなかったケースなど様々でしょう。(以上、追記終わり)

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