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餃子の王将 未払い賃金の2.5億円 是正指導受け判明

先程、インターネットで配信された記事です。

以下、朝日新聞デジタル 7月14日(月)12時36分配信の記事から。
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餃子の王将、未払い賃金2.5億円 是正指導受け判明

朝日新聞デジタル 7月14日(月)12時36分配信

中華料理店チェーン「餃子(ギョーザ)の王将」を展開する王将フードサービスは14日、従業員923人に対して計2億5500万円の未払い賃金があったと発表した。京都下労働基準監督署(京都市)から昨年12月に是正指導を受けて調べた。昨年7月~今年2月にかけ、主に店の従業員の残業代を適切に支払っていなかったことが判明したという。

王将は「従業員の労働時間の管理が甘かった。再発防止に努めたい」(経営企画部)と話している。未払い分は4~6月期決算に経費として計上しており、近く支払う。
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また、王将フードサービスのウェブサイトにも、プレスリリースが出ています。

http://www.ohsho.co.jp/company/ir_release.html

このプレスリリースによれば、未払い賃金約2億5500万円の対象期間は、
「平成25年7月16日から平成26年2月15日まで」
とのことです。
平成25年7月15日以前に未払い賃金があったか否かについては触れていません。

未払い賃金の消滅時効は、2年間間ですから、
もし仮に未払い賃金が、平成25年7月15日以前の分もあれば、
日々刻々と消滅していくことになります。

また、退職した労働者の未払賃金も当然に、未払い賃金の請求対象となります。

本件は、王将フードサービス直営の従業員のものだと思われますが、
餃子の王将は、FC(フランチャイズ)店舗も多数あると聞いております。
FC店で労働する従業員は、経営の主体にもよりますが、
FC経営者が雇用主であることが一般的であると思われます。

また、本件では、1人当たりの未払い賃金は、平均で、金27万6,273円となります。
1人当たりの平均にすると、莫大な金額とまでは言えないかもしれませんが、
労働の対価に小さいも大きいもありません。
すべからく支払われるべきでしょう。

一般的に、
未払い賃金の請求は、まずは当事者の話し合い、労基署などの是正措置、あっせんなどを経て、それでも話し合いがつかない場合に、弁護士や司法書士に、未払い賃料、残業代、等の示談交渉、裁判代理などによって請求します。

もちろん、いきなり裁判を提起するという方法もあります。
会社側に支払う意思がない場合、金額に大きく食い違いがある場合、会社が夜逃げ状態の場合、会社の誠意を望むことができない場合などは、いきなり裁判手続きという選択がベターということもあります。

労働事件は、個別事案により、対応方法が異なりますので、まずは、無料法律相談を利用されるのがいいと思います。労基署へのアプローチと同時進行で進めることもあります。
法テラスを利用するケースも多いと思われます。

王将の本店は京都で、全国的にも非常に著名な企業すので、これを機に、未払い賃金、サービス残業などの認識が広まると予想されます。

社会の労働問題に対する意識の高まりを受けて、当事務所においても、未払い賃金請求、未払い残業代請求、解雇予告手当請求等の労働事件の依頼が増えることが予想されます。

司法書士井木事務所は、初回の法律相談は無料ですので(京都及び京都近郊で事務所に来所できる方に限りますが)、お気軽にご相談頂ければと存じます。

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国民健康保険料と健康保険税の違いと消滅時効

市区町村によって、国民健康保険料(税)が、保険料方式と保険税方式とで異なることをご存知でしょうか?

冒頭で、何気なく、「健康保険料(税)」という表現を使いましたが、これは、一般的によく使われる表現で、その意味は、「健康保険料又は健康保険税」ということだと推測します。

税金に準ずるものという意味で、市民をビビらすために(税)と付け加えているわけではないと思います(結果的にそういう心理的効果はあることは否定できませんが)。

というのも、市区町村は、保険料方式か保険税方式を自由に選択できるため(国民健康保険法76条)、居住している市区町村により、保険料又は保険税のいずれかとなるため、全体として(国民全体からみて)表現するには便宜、「健康保険料(税)」となるのだと思います。

さて。

保険料と保険税、私たち国民の側からみて、どっちがお得でしょうか(いきなり問題の核心に迫ります)?!

全国の市区町村では、保険「税」方式の自治体が多いと聞きます。

私が今までに居住したことがある市区町村は、すべて保険料方式だったと思うので、これは意外でした。

健康保険法によれば、保険料方式が原則で、保険税方式が例外とされているにも関わらず(国民健康保険法76条)、全国の自治体では保険税方式の方が多く採用されているということは、保険税方式が自治体にとって有利で、私たち市民にとって不利ということでしょうか?!

以下で検討してみましょう。

1 消滅時効期間が違う

・ 国民健康保険料 2年   ・・・ 根拠: 国民健康保険法110条1項

・ 国民健康保険税 5年   ・・・ 根拠: 地方税法18条

保険料方式を採用する自治体は、時効中断の手続き(徴収金の徴収の告知又は督促)をとらないと、納期限の翌日から2年で滞納保険料を徴収する権利を失います(時効期間の満了により消滅時効が完成)。※「時効中断」については、国民保健康保険法110条2項により、民法153条(時効の中断)の特則として規定されているので、注意が必要です。

ところで、市区町村は、保険料方式であっても、保険税方式であっても、保険料(税)の納付が延滞すれば、告知や督促の時効中断手続きをとり続けるので、2年であっても5年であっても、現実には、滅多に消滅時効が成立することはないと思われます。もちろんその3年の差で徴収率は若干は変わってくると思います。

他方、保険税の場合は、法定納期限から5年で消滅時効にかかります。

なお、地方税法18条2項によれば、「前項の場合には、時効の援用を要せず、また、その利益を放棄することができないものとする。」とあるので、この点については、保険料と異なります。国民健康保険料については、消滅時効期間が満了し、時効が完成したうえで、民法の原則どおり「援用」することが要件となっていますが(裏をかえすと時効完成後は時効利益を放棄することも自由)、保険税の場合は、期間の満了をもって、絶対的に消滅します。絶対的に消滅するので時効利益の放棄のしようもありません。この違いについては、法律専門職にとっては、興味深い内容ですが、市民にとっての損か特かの実益の違いは特にないでしょう。

2 優先順位が違う

後日アップします。

3 まとめ

何らかの権利、義務を有するということは、必ずといっていいほど、消滅時効の問題がつきまといます。医療報酬の消滅時効は?交通事故の損害賠償請求権の消滅時効は?友人に貸した借金の消滅時効は?そば屋のツケ代の消滅時効は?。。。。??

時効により権利が消滅して困る人(時効中断の手続きをお早めに!)、時効によりはやく義務が消滅してほしい人、どちらも京都の井木事務所にご相談ください(最後は宣伝でした)。

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