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国民健康保険料と健康保険税の違いと消滅時効

市区町村によって、国民健康保険料(税)が、保険料方式と保険税方式とで異なることをご存知でしょうか?

冒頭で、何気なく、「健康保険料(税)」という表現を使いましたが、これは、一般的によく使われる表現で、その意味は、「健康保険料又は健康保険税」ということだと推測します。

税金に準ずるものという意味で、市民をビビらすために(税)と付け加えているわけではないと思います(結果的にそういう心理的効果はあることは否定できませんが)。

というのも、市区町村は、保険料方式か保険税方式を自由に選択できるため(国民健康保険法76条)、居住している市区町村により、保険料又は保険税のいずれかとなるため、全体として(国民全体からみて)表現するには便宜、「健康保険料(税)」となるのだと思います。

さて。

保険料と保険税、私たち国民の側からみて、どっちがお得でしょうか(いきなり問題の核心に迫ります)?!

全国の市区町村では、保険「税」方式の自治体が多いと聞きます。

私が今までに居住したことがある市区町村は、すべて保険料方式だったと思うので、これは意外でした。

健康保険法によれば、保険料方式が原則で、保険税方式が例外とされているにも関わらず(国民健康保険法76条)、全国の自治体では保険税方式の方が多く採用されているということは、保険税方式が自治体にとって有利で、私たち市民にとって不利ということでしょうか?!

以下で検討してみましょう。

1 消滅時効期間が違う

・ 国民健康保険料 2年   ・・・ 根拠: 国民健康保険法110条1項

・ 国民健康保険税 5年   ・・・ 根拠: 地方税法18条

保険料方式を採用する自治体は、時効中断の手続き(徴収金の徴収の告知又は督促)をとらないと、納期限の翌日から2年で滞納保険料を徴収する権利を失います(時効期間の満了により消滅時効が完成)。※「時効中断」については、国民保健康保険法110条2項により、民法153条(時効の中断)の特則として規定されているので、注意が必要です。

ところで、市区町村は、保険料方式であっても、保険税方式であっても、保険料(税)の納付が延滞すれば、告知や督促の時効中断手続きをとり続けるので、2年であっても5年であっても、現実には、滅多に消滅時効が成立することはないと思われます。もちろんその3年の差で徴収率は若干は変わってくると思います。

他方、保険税の場合は、法定納期限から5年で消滅時効にかかります。

なお、地方税法18条2項によれば、「前項の場合には、時効の援用を要せず、また、その利益を放棄することができないものとする。」とあるので、この点については、保険料と異なります。国民健康保険料については、消滅時効期間が満了し、時効が完成したうえで、民法の原則どおり「援用」することが要件となっていますが(裏をかえすと時効完成後は時効利益を放棄することも自由)、保険税の場合は、期間の満了をもって、絶対的に消滅します。絶対的に消滅するので時効利益の放棄のしようもありません。この違いについては、法律専門職にとっては、興味深い内容ですが、市民にとっての損か特かの実益の違いは特にないでしょう。

2 優先順位が違う

後日アップします。

3 まとめ

何らかの権利、義務を有するということは、必ずといっていいほど、消滅時効の問題がつきまといます。医療報酬の消滅時効は?交通事故の損害賠償請求権の消滅時効は?友人に貸した借金の消滅時効は?そば屋のツケ代の消滅時効は?。。。。??

時効により権利が消滅して困る人(時効中断の手続きをお早めに!)、時効によりはやく義務が消滅してほしい人、どちらも京都の井木事務所にご相談ください(最後は宣伝でした)。

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