- 2011-02-18 (金) 22:11
- 武富士 民事再生
武富士の債権届の提出期限は、残すところ2週間となりました。
更生計画による弁済率が気になるところですが、
先日(2月15日)、アイフルから興味深い書類が送付されてきました(武富士ではなくアイフルです)。
「クライアントへ伝達・確認頂きたい事項」と題する文書には、
「武富士の法的整理を経た過払い金債権の配当は1割~2割と言われている。」
と記載されています。
しかし、その10%~20%の根拠はどこにも記載されていません。
アイフルがこのような文書を送付する趣旨は、
私的整理(ADR)実行中の状況で、過払い金の和解率を、元金4割に抑えたいという目的で、
武富士の法的整理の場合の配当率を引用しているものと思いますが、
その10%~20%の数字の算定根拠はこの文書では明らかにされていません。
他方、昨年の10月28日に発表されたブルームバーグの記事を根拠に、15%前後の配当を予想する記事もインターネット上で見かけます。
しかし、このブルームバーグの記事は、昨年の10月28日のものであり、すでに4か月経過し、債権届出される過払い金の総額も当初の予想とは、異なっている可能性もあります(届出される過払い金の総額が大きければ大きいほど、弁済率は低くなる。)。また、この4か月で、資産が毀損している可能性もあります(貸出債権の回収不能など)。
また、静岡司法書士会をはじめとした各地の司法書士会などの記事に、
「一般的な更生計画においては、弁済率は15%から20%と言われています。ただ、ロプロ(旧日栄)の時は、弁済率が3%であり、著しく低い弁済率が設定されることもあり得ます」
という記載があります。
これは武富士のことを言っているのではなく、「一般的な」会社更生法事件の弁済率のことを言っています。実際に、この記事では、ロプロ(3%)のように「著しく低い弁済率が設定されることもあり得ます」と記載されています。15%~20%という数字だけがひとり歩きしなければいいのですが。
情報が少ない私たちには、武富士が保有する資産も、
弁済対象の債権届出された過払い金等の債権総額もわからないので、
現時点で弁済率を予想するのは極めて難しいのですが、
債権届出の集計が終われば、
それなりに信頼性の高い筋から、弁済率の予想が発表されるのではないかと思います。
新着記事はこちら :平成23年5月7日 → 武富士 弁済率の予想
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